【久光製薬スプリングス】 全日本女子正守護神候補がフランスリーグへ移籍
8/31、久光製薬スプリングスは、リベロの座安琴希選手が海外移籍する事を発表しました。
移籍先は、フランスのRCカンヌです。
久光は昨季、筒井さやか選手が同じフランスリーグのル・ネカに1年間移籍しておりましたが・・・RCカンヌは、欧州チャンピオンズリーグを2度制覇した過去を持つ名門。イェレナ・ニコリッチ、マウゴジャータ・グリンカ、ヴァレンティーナ・フィオリン、エヴァ・ヤネヴァといった日本でも御馴染みの選手が所属した事もあり、日本からも佐野優子さん、井野亜季子さん、江畑幸子選手もプレーしていました。ちなみに、ローガン・トム、ブランキツア・ミハイロビッチ、タチアナ・ボカンの3名は久光OGでもあります。
公式サイトによると、移籍期間は2016/9/1~2017/6/30までの1年間です。
座安選手は同日発表の沖縄タイムスの取材にて、次のように答えています。
準々決勝で米国に敗れメダルを逃した。大会を振り返って。
「良い経験になったが、パワーや高さなどまだ超えられていない世界の壁を痛感した。もう一度ゼロから始めないといけない。日本バレーが勝つための課題はたくさんあるのを感じた」
自身のプレーについて。
「本職のリベロで試合に出ていないが、集中力やモチベーションの維持など勉強になった。葛藤もあり、フル出場でチームに貢献したかったが、自分の存在感は示せた。それがあるから『もう一度、頑張るか』という気持ちにもなっている」
「サーブレシーブとディグ(スパイクレシーブ)が数字として良くなっていかないと、これからにつながらない。まだ修行が必要だ」東京五輪への思いは。「リオが終わったばかりで、何とも言えないが、この1年で答えを出し目標を明確にして皆さんに伝えたい。これからのシーズンで自分の覚悟も問いたい」
県勢の競技力の向上については。
「沖縄から出て遠征に行くのは難しいが、向こうのチームとの試合や合宿など経験をしないといけない。他県の大会のビデオを見るのも手だ。沖縄と違って高さもある。そういったことを意識して練習してほしい」
県民の応援も熱かった。
「『沖縄県のために』という気持ちがすごく強い。この身長(159センチ)でも世界と戦えるということを証明するために出てきている。達成はまだだが夢は届けられているのかな、と思う。県民からパワーをもらい背中を押してもらって感謝している」
子どもたちに向けて。バレーをどう楽しめばいいか。
「見てて楽しいと思うのは『つなぎ』。ラリーを取るのは日本が勝つために必要。拾って拾って、粘って粘ってというのがバレーの良さであり、チームプレーの良さだと思う」
「でも、バレーだけでは上に行けない。あいさつなり、落ちているものを拾ったり、日常生活の『当たり前』をできるようにして、目配り、気遣いができて初めて競技力の向上にもつながる。日々の人間性を磨くということも大事にしてほしい」
・・・と、最後はキャプテン節で締めくくっています。
さて、久光にとって問題となるのは・・・リベロそのものについては、先述の筒井選手と戸江真奈選手がおりますので、戦力としては悲観するほどのマイナスにはならないでしょう。
しかし座安選手は、昨季よりチームキャプテンを務めております。このポジションは少なくとも、ジャンケンやあみだくじで決められるポジションではないだけに、近々人事面での変更を余儀なくさせられるのは必至。
順当に行けば、ゲームキャプテンの新鍋理沙選手が内部昇格でしょうけど・・・2012/13シーズンにキャプテンを務めた古藤千鶴選手の再任、あるいは筑波大でキャプテンを務めた事がある水田祐未選手も有り得ます。
穴馬として挙げられるかも、というのが、ピンチサーバーの石橋里紗選手。1990/2/3生まれと、前任の座安選手とは同年代(1990/1/11)であり、「ピンチサーブの切り札」でもあり、年代的にもナナリサや長岡選手、石井選手といった主力に睨みが効く立場にあります。
誰が新キャプテンになるのかは分かりませんが・・・座安選手には、せっかくの海外挑戦の機会なのですから、仏語辞典を片手に(注:1)ハングリー精神で頑張って欲しいものです。
注:1 佐野さんはRCカンヌへの挑戦が決まった時、仏語辞典を読みまくっていたという。